ターナーアワード2023 受賞作品発表

審査員特別賞

大濱統太郎京都芸術大学


range flower790×540mm

制作していてとても気持ちよかったです。僕の作品は人には言えない出来事、しかし共感性が持てる出来事を作品にするものです。これからも最高の作品を世の中に出していきますので乞うご期待を宜しくお願いします。 O JUN講評 私は「range flower」(大濱統太郎)が特に興味深かった。同一の画面で二つの絵画空間が同居している。これも絵画ゆえに可能ない空間の接続形態だ。馴染まず和せず、なおコミュニケーションの方法を探ろうとする感覚を絵にすればこの状況はあたかもシェアハウスの一場として見えてくる。そしてこの絵は意外に触覚的なのだ。妙なリアリティを感じた。

益田啓嗣大阪芸術大学大学院


無題800×1120mm

この作品は大きな色面を作ることで線や色彩が強くなる効果を期待して制作しました。特に人の頭部と脚部が潰れたイメージを気に入っています。次は色面の大きさに抑揚をつけることで、より多彩な表現を目指したいと思っています。 長尾謙一郎講評 僕は物語を感じさせる絵が好きだ。おそらく漫画家だからなのであろう。この作品に描かれた四人の若者のオフビート的な青春が、なんとも心地良い。手法としても面白い。このやり方で世界や時代の全てを切り取っていってほしい。それは紛れもなく絵描きの仕事だから。応募作品中、もっとも将来性を感じさせてくれる絵だったと僕は思う。

門田智子岡山県立大学


夢想家608×457mm

この作品は頭の中に広がる夢の世界を表現した作品です。釣りをしている魚がいたり、いも虫を乗りこなす赤ずきんちゃんがいたり…自由きままな生活を送るキャラクターたちに注目して観ていただけると嬉しいです。 山口晃講評 パステルカラーのユートピア絵画。夢想家の眼差しが作り出す世界は、己の異形性に応じて部分が肥大化・変態した者たちが異形のままに暮らし、夢想家は花の女王に転生しリボンの王冠を戴く。夢想家の目が画平面の外、鑑賞者の側に貼られた星型のオブジェを映すことによる広がり。パステル調ゆえの彩度による突出が無い色覚検査表のような幻惑感。輪郭の相似性を活かしてモティーフ同士が部分的に重ね合わされ、まるで形でしりとりをする様に各モティーフの形を保ったまま変容してゆく。20ミリ厚の支持体は側面にフェイクファーに覆われた鋲が打たれ、画面数箇所に貼られた傾けると黒目の動く目玉シールと共に、手に持っての賞翫に導く。